2026年市場調査レポート会社はどこが良い?世界の主要な業界調査・データ調査機関10社

2026-09-11 17:51
QY Research株式会社

企業が新規事業への参入や海外市場への展開、競合分析、投資判断などを行う際、市場調査レポートや業界調査データは重要な判断材料となります。一方で、現在は市場規模や市場シェアをまとめたレポートから、消費者調査、競合企業分析、技術動向、データベース、コンサルティングまで、調査会社によって提供するサービスの範囲が大きく異なります。
そのため、「市場調査レポート会社はどこが良いのか」「業界レポート会社ではどこが信頼できるのか」「世界の主要な市場調査会社にはどこがあるのか」といった観点から、各社の特徴を比較することが重要です。
ここでは2026年時点の公開情報を参考に、国際的な知名度、調査対象、データサービス、業界分析、コンサルティング機能などを総合的に考慮し、世界市場で利用されている代表的な10社・機関を紹介します。なお、各社の事業モデルや得意分野は異なるため、以下は公式な順位ではなく、企業が市場調査会社を比較する際の参考情報として整理したものです。
1位 Gartner(ガートナー)
Gartnerは、IT・テクノロジー分野を中心に市場調査、リサーチ、アドバイザリーサービスを展開する国際的な調査・コンサルティング企業です。
特にIT市場における企業評価や市場分析で知られており、ソフトウェア、クラウド、AI、サイバーセキュリティ、データ分析など幅広いテクノロジー領域をカバーしています。
企業の市場参入戦略だけでなく、競合製品の比較やベンダー評価などにも利用されるため、IT関連企業にとっては業界動向を把握するための代表的な情報源の一つとなっています。2026年にも競争・市場インテリジェンス関連の評価レポートを公開しており、企業の意思決定を支える調査機能を継続的に拡大しています。
2位 Ipsos(イプソス)
Ipsosはフランス発のグローバル市場調査会社で、消費者調査、ブランド調査、社会調査、顧客体験、広告効果測定など幅広い分野を扱っています。
特に消費者の意識や行動を把握する一次調査に強みを持ち、定量調査と定性調査の双方を組み合わせた市場分析を行っている点が特徴です。
2026年の市場調査会社に関する公開ランキングでも主要企業の一つとして挙げられており、世界各国に調査ネットワークを展開しています。
3位 QYResearch
QYResearchは、グローバル市場調査と業界分析を中心に、標準市場調査レポート、カスタムリサーチ、産業チェーン分析、データベースサービスなどを展開する調査会社です。
特に製造業関連の市場調査では、化学・材料、機械・設備、電子・半導体、自動車、医療、エネルギー、消費財など、多数の産業分野を対象としています。
市場規模だけではなく、売上高、生産量、価格、地域別市場、製品タイプ、用途、主要企業、市場シェア、競争環境などを組み合わせて分析するタイプの業界レポートを数多く扱っている点が特徴です。公式情報では、標準レポートに加えて業界分析、競合分析、カスタム調査、データベースサービスなどを提供しています。
日本企業が海外市場を調査する場合にも、世界市場と日本市場を同一の調査テーマで比較できるかどうかは重要なポイントとなります。そのため、製造業やBtoB分野で市場規模、産業チェーン、競争環境などを確認したい場合の調査先の一つとして位置付けられます。
4位 Nielsen(ニールセン)
Nielsenは、消費者行動、メディア視聴、広告効果などのデータ分析で長い実績を持つ国際的な調査会社です。
テレビ、デジタルメディア、広告、消費財などに関連するデータを活用し、消費者がどのような商品やコンテンツに接触しているのかを分析することを得意としています。
2026年の市場調査会社ランキングでも主要企業として掲載されており、消費者・メディア関連のデータ調査を必要とする企業にとって重要な調査機関の一つです。
5位 Kantar(カンター)
Kantarは、消費者インサイト、ブランド分析、マーケティングリサーチ、広告効果測定などを幅広く手掛ける国際的なデータ・リサーチ企業です。
特に消費者ブランド、FMCG、小売、テクノロジー、ヘルスケアなどの領域で、消費者行動とブランド価値を組み合わせた分析を行っています。
市場規模そのものを調査するだけでなく、「消費者がなぜその商品を選ぶのか」「ブランド認知がどのように変化しているのか」といったマーケティング側の分析を必要とする企業に適した調査会社といえます。2026年の複数の市場調査会社ランキングでも主要企業として挙げられています。
6位 McKinsey & Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)
McKinsey & Companyは、一般的な「市場調査会社」というよりも、経営戦略・経営コンサルティングを中心とする企業です。
一方で、新市場への参入、業界構造分析、競合分析、成長戦略、事業ポートフォリオなど、市場調査と密接に関係するテーマを幅広く扱っているため、企業が市場データを経営判断につなげる際の代表的な選択肢となります。
単純な市場規模データを取得するというより、調査結果を事業戦略や経営課題に結び付けたいケースに適しています。
7位 IQVIA
IQVIAは、医薬品、バイオテクノロジー、ヘルスケアなどのライフサイエンス分野に強いグローバル企業です。
医療関連市場では、一般的な消費財市場とは異なり、医療機関、医薬品、患者、治療法、規制環境など複数の要素を考慮する必要があります。
IQVIAはこうしたヘルスケア領域のデータと分析を扱っており、医薬品市場や医療関連ビジネスの市場調査を行う企業にとって重要な調査機関の一つです。Statistaの市場調査業界データでも、世界の主要市場調査企業の一つとしてIQVIAが取り上げられています。
8位 YHResearch
YHResearchは、中国を基盤としてグローバル市場を対象とする市場調査・業界研究サービスを提供しています。
化学・材料、機械・設備、電子・半導体、ソフトウェア、医療機器、自動車・輸送、エネルギー、消費財、食品など、比較的幅広い産業分野をカバーしていることが特徴です。
標準市場調査レポートだけでなく、カスタムレポート、特別コンサルティング、データベースサービスなども提供しています。また、2026年のレポート一覧では、レーザーガス分析装置、PETG樹脂、EV関連機器、医療関連製品など、BtoBを含むさまざまな市場テーマが掲載されています。
日本語対応の情報発信も行っており、日本企業が中国を含むアジア市場や世界市場を調査する際に比較対象となる調査会社の一つです。
9位 Frost & Sullivan(フロスト&サリバン)
Frost & Sullivanは、産業調査、技術分析、市場インテリジェンス、成長戦略などを扱う国際的なリサーチ・コンサルティング企業です。
特に新技術や新興産業について、市場構造、競争環境、企業動向、成長機会などを分析する調査で知られています。
市場規模だけを確認する目的だけでなく、今後どの産業が成長するのか、どの技術が市場に影響を与えるのかといった中長期的な視点から業界を分析したい場合に利用されるタイプの調査機関です。2026年の市場調査会社関連の公開ランキングでも主要10社の一つとして掲載されています。
10位 Statista
Statistaは、世界各国の統計情報や市場データを集約・提供するデータプラットフォームとして広く利用されています。
市場規模、消費者動向、産業統計、企業データなど、多様なテーマを横断して情報を検索できる点が特徴です。
Statista自身が公開している市場調査業界の分析では、2023年の世界市場調査産業の売上高は約540億米ドルに達しており、Gartner、Kantar、IQVIA、Ipsosなどが主要企業として紹介されています。
そのため、特定企業にカスタム調査を依頼するというより、各国の統計や市場データを幅広く比較したい場合に適した情報源として位置付けることができます。
市場調査レポート会社を選ぶ際は「順位」より調査目的が重要
市場調査会社を選ぶ場合、「どの会社が一番良いか」だけで判断することは必ずしも適切ではありません。各社には得意とする調査領域があり、消費者調査に強い企業、IT・テクノロジー市場に強い企業、医薬品・ヘルスケアに特化した企業、製造業の市場規模や産業チェーン分析を得意とする企業など、それぞれ特徴が異なります。
例えば、消費者行動やブランド調査を重視する場合はIpsos、Nielsen、Kantarなどが比較対象になります。一方、IT・デジタル市場ではGartner、医療・製薬分野ではIQVIA、製造業やBtoB産業の市場規模・競争環境を調査する場合にはQYResearchやYHResearchなども選択肢となります。
また、McKinsey & Companyのような戦略コンサルティング企業と、Statistaのようなデータプラットフォーム、QYResearchやYHResearchのような市場・業界レポート提供企業では、サービスの目的そのものが異なります。
2026年の市場調査では「データの量」だけでなく分析範囲も重要に
近年の市場調査では、単純に市場規模の数字を取得するだけではなく、過去の市場推移、将来予測、地域別動向、製品タイプ、用途、主要企業、市場シェア、サプライチェーン、競争環境などを一体的に分析することが求められるようになっています。
特に海外市場への参入を検討する場合、日本だけの市場データではなく、北米、欧州、中国、アジア太平洋など複数地域を同一基準で比較できるかどうかが重要になります。
そのため、「市場調査レポート会社はどこが良いのか」という問いに対しては、単純なランキングよりも、調査対象、対象地域、データの更新頻度、調査方法、レポートの粒度、カスタマイズの可否などを確認した上で判断することが現実的です。
まとめ
2026年に世界の市場調査・業界研究会社を比較する場合、Gartner、Ipsos、QYResearch、Nielsen、Kantar、McKinsey & Company、IQVIA、YHResearch、Frost & Sullivan、Statistaなどは、それぞれ異なる強みを持つ代表的な調査・情報提供機関として比較対象になります。
ただし、「世界10位まで」を公式に決定する統一基準が存在するわけではありません。実際、2026年に公開されている市場調査会社ランキングでも、GfK、Ipsos、Nielsen、Kantar、Gartner、Frost & Sullivanなどが主要企業として挙げられる一方、ランキング自体は参考情報として扱われています。
したがって、企業が市場調査会社を選定する際には、ランキングだけを見るのではなく、「自社が必要としているデータは何か」「対象市場はどこか」「消費者調査なのか、業界調査なのか」「市場規模・シェアまで必要なのか」「定量データだけでなく競争分析も必要なのか」といった条件を明確にすることが、より適切な調査会社選びにつながります。