世界の近視性黄斑変性の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表

2026-09-06 17:30
株式会社マーケットリサーチセンター

株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の近視性黄斑変性の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Myopic Macular Degeneration Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。

■主な掲載内容

本レポートは、近視性黄斑変性(Myopic Macular Degeneration:MMD)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。MMDは強度近視に伴って黄斑部に進行性の変性を生じる視力障害性疾患で、脈絡網膜萎縮、網膜・脈絡膜菲薄化、lacquer cracks、近視性脈絡膜新生血管(myopic choroidal neovascularization:mCNV)などを含む。進行すると不可逆的な中心視力低下を来し、特に東アジアでは失明・ロービジョンの主要原因となっている。調査会社は、MMDの一般人口有病率を約1.7%、推定範囲を1.1~2.6%とし、高齢者、女性、アジア人、強度近視患者でリスクが高いと整理している。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間として、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場における有病率、年齢、性別、病型、診断患者数などを分析している。

MMDを理解するうえで最も重要なのは、「近視」「強度近視」「病的近視」「MMD」を区別することである。近視そのものを有する人がすべてMMDになるわけではなく、強度近視が主要なリスク背景となり、その一部で黄斑部に病的変化が生じた状態がMMDである。

したがって、近視有病率、強度近視有病率、MMD有病率を同じ患者プールとして扱うことはできない。

資料では、2010年に世界で約1億6,300万人、全人口の2.7%が強度近視を有していたとされる。2050年には約10億人、9.8%まで増加すると予測されている。

この数字はMMD患者数ではなく、MMDの主要リスク集団である強度近視患者数を示す。

つまり、2026~2035年のMMD患者増加を予測する際には、まず強度近視人口が拡大し、その中の一部が病的黄斑変化へ進展するという二段階構造で考える必要がある。

強度近視患者のうち、約10~40%が最終的にMMDに一致する病的黄斑変化を生じるとされる。

一方、別の記述では「MMDは強度近視患者の約49%にみられる」とされている。

この10~40%と約49%には明確な差がある。

両者は異なる研究、症例定義、年齢構成、強度近視の重症度などに基づく可能性が高く、今回の抜粋だけから一つの正しい割合に統一することはできない。

したがって、「強度近視患者の半数が必ずMMDになる」と断定するのではなく、強度近視患者ではMMDリスクが非常に高いものの、報告割合は約10~40%から約49%まで大きくばらつく、と整理するのが適切である。

一般人口におけるMMD有病率は約1.7%とされ、推定範囲は1.1~2.6%である。

別の記述では現在の世界有病率が1~3%とされており、これは1.1~2.6%というレンジと概ね整合する。

したがって、現在の世界一般人口におけるMMD負担はおよそ1~3%程度というのが本資料の大まかな整理である。

一方、2050年には世界MMD有病率が5~10%に達すると予測されている。

これは非常に大きな上昇であり、主として強度近視人口の増加と高齢化を背景とする将来推計である。

ただし、5~10%は2026~2035年の直接予測値ではなく、mid-century、すなわち2050年前後を想定した長期予測である。

したがって、2035年時点ですでに世界有病率が5~10%になると解釈してはいけない。

年齢との関連は強く、MMD有病率は50~59歳頃から上昇し、60~69歳でさらに増え、70歳以上で最も高くなるとされる。

この傾向は、MMDが単純な屈折異常ではなく、長期間にわたる眼球伸長や加齢に伴う黄斑・脈絡膜変性の蓄積を反映する疾患であることと整合する。

したがって、若年期から強度近視が存在していても、視力を脅かす黄斑変性が臨床的に問題となるのは中高年以降であることが多い。

ただし、今回の抜粋では50~59歳、60~69歳、70歳以上の具体的な有病率は示されていないため、年齢勾配は定性的にしか評価できない。

性別では、女性の方が男性よりMMDリスクが高いとされる。

資料では、眼球解剖や疾患感受性の性差が理由として示唆されている。

ただし、女性で何倍高いかという具体的リスク比は今回の抜粋には示されていない。

したがって、「女性優位」は言えるが、定量的な性差を推定することはできない。

地域差では、東アジアが最も重要である。

中国、日本、韓国、シンガポール、台湾では、強度近視とMMDの有病率が最も高い地域群とされる。

東アジアでは若年成人の最大80~90%が近視とされる。

ただし、この80~90%は「近視全体」の有病率であり、強度近視の有病率ではない点が重要である。

今回の資料は「East Asia bears the highest prevalence of both high myopia and MMD」と述べた後に80~90%という数字を出しているため、読み方によっては強度近視率のように見えるが、実際の文面は「young adults are myopic」であり、近視全体を指している。

したがって、東アジア若年成人の80~90%が強度近視という意味ではない。

東アジアの一般人口では1~4%にpathologic myopic changesがみられるとされる。

この1~4%はMMDまたは病的近視関連黄斑変化に近い指標だが、表現上は「pathologic myopic changes」であり、厳密にMMDだけを指すかはやや曖昧である。

したがって、一般人口MMD有病率1.7%、東アジア病的近視変化1~4%という数字は方向性として整合するが、完全に同じ症例定義ではない可能性がある。

日本ではMMDが特に大きな失明負担を持つ。

資料冒頭では、日本、中国、台湾などで失明原因の上位3位以内に入るとされる。

一方、国別セクションでは「In Japan, MMD is the leading cause of blindness」とされ、法的失明の最大30%を占めると記載されている。

ここには表現上の差がある。

「上位3原因の一つ」と「日本で最大の失明原因」は両立し得るものの、前者より後者の方が強い主張である。

さらに「最大30%のlegal blindness」という数字は、日本全体のロービジョン患者の30%という意味ではなく、法的失明症例の原因構成比である。

したがって、これを一般人口有病率として扱ってはいけない。

また、資料冒頭ではMMDが東アジアのロービジョン症例の10~15%を占めるとされる。

この10~15%と、日本のlegal blindness最大30%も分母が異なる。

10~15%は東アジア全体の「low vision cases」、30%は日本の「legal blindness cases」の原因構成比であり、直接比較して矛盾とみなすべきではない。

欧州と北米については、資料では「high myopia prevalence has risen to 20–30% in adults」とされている。

この数字には注意が必要である。

同じ資料内で2010年の世界強度近視有病率が2.7%、2050年予測が9.8%とされているため、欧州・北米成人の「強度近視」が20~30%という記述は非常に高く、内部的に不自然である。

文脈上は「myopia overall」、すなわち近視全体の有病率を指している可能性があるが、資料では明確に“high myopia”と記載されている。

したがって、この20~30%は今回の資料内で定義・表記上の疑義がある数値として扱うべきであり、欧州・北米の成人5人に1~3人が強度近視であるとそのまま断定するのは慎重である。

一方、欧州・北米のMMD有病率は一般人口の約1~2%とされている。

これは世界全体の1.1~2.6%、約1.7%という数値と概ね整合する。

したがって、東アジアより負担は低いものの、欧米でも無視できない患者プールが存在し、特に若年世代の近視増加に伴い将来的なMMD負担が増える可能性があるとされる。

資料ではその背景として、長時間の近業やデジタルスクリーン曝露を挙げている。

ただし、今回のレポートはこれらを疫学的関連要因として述べているにとどまり、スクリーン曝露が直接MMDを引き起こす因果関係を定量的に証明しているわけではない。

米国については、今回の抜粋では独立した具体的MMD患者数や発症率は示されていない。

北米として一般人口の約1~2%という推定が提示されているだけである。

同様に、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、インドについても国別の具体的患者数・有病率は示されていない。

日本のみ、失明原因としての疾病負担が具体的に強調されている。

したがって、8主要市場を対象とするレポートではあるものの、この抜粋だけで8か国の患者数ランキングを作成することはできない。

MMDの病型として重要なのが、萎縮性病変と近視性脈絡膜新生血管である。

萎縮性MMDでは、黄斑部の脈絡網膜萎縮や菲薄化が徐々に進み、不可逆的な中心視力低下につながる。

一方、mCNVでは異常血管新生によって急速な視力低下を来す可能性があり、治療可能性という点で病型を分けることが重要である。

重症度評価にはMETA-PMなどの分類システムが用いられるとされる。

これはMMDを単純な「あり・なし」で分類するのではなく、病的近視性黄斑変化を段階的に評価するための枠組みである。

したがって、疫学市場分析では全MMD患者数だけでなく、萎縮型、mCNV、重症度別患者数を分けることが臨床需要を理解するうえで重要となる。

治療では、mCNVに対する硝子体内anti-VEGF注射が中心とされる。

これは異常血管新生を抑制し、視力の安定化を目指す治療である。

ただし、anti-VEGFがすべてのMMD病態を治癒するわけではない。

特に萎縮性MMDでは有効な根治治療が乏しく、資料ではlow-vision rehabilitationや光学的補助具などの支持療法が中心とされる。

したがって、同じMMDでもmCNVは積極的な薬物治療対象となり得る一方、萎縮型では視機能支援と進行監視の比重が高い。

この治療可能性の差は市場分析上も重要である。

予防的観点では、特に若年者における強度近視進行の抑制が重要とされる。

これはMMDそのものを成人期に直接予防するというより、将来の最大リスク因子である強度近視へ進展する患者数を減らす長期戦略と考えるべきである。

また、眼底画像やその他のイメージング技術向上によって、病的変化やmCNVを早期発見しやすくなるとされる。

研究開発では、強膜補強、再生医療、長時間作用型生物学的製剤などが検討されている。

ただし、今回の資料ではこれらは研究中のアプローチであり、確立した標準治療として位置づけられてはいない。

市場・疫学の観点では、MMDは「現在の高齢患者負担」と「将来の強度近視人口増加」という二つの時間軸を持つ。

第一の患者数増加要因は、世界的な近視・強度近視人口の増加である。

第二に、高齢化によって、すでに強度近視を有する患者がMMDを発症する年齢に達することがある。

第三に、東アジアを中心に高い近視有病率を持つ若年世代が中高年化することで、将来的なMMD患者プールがさらに拡大する可能性がある。

第四に、高解像度眼科画像診断や定期眼底検査の普及によって、軽症・無症候段階の病変がより多く診断される可能性がある。

したがって、2026~2035年にMMD診断患者数が増えても、それは真の病態増加だけでなく、診断捕捉率向上の影響も受ける。

一方で、近視進行抑制が若年期に広く実施されれば、より長期的には強度近視とMMDへの進展を減らせる可能性がある。

全体として本レポートは、MMDを「強度近視を背景として黄斑部に脈絡網膜萎縮、lacquer cracks、網膜・脈絡膜菲薄化、mCNVなどが生じ、不可逆的な中心視力障害を来す進行性眼疾患」と位置づけている。

一般人口有病率は約1.7%、推定範囲1.1~2.6%、別の記述では1~3%とされ、概ね整合する。一方、強度近視患者のMMD有病割合は10~40%とする記述と約49%とする記述があり、対象集団や定義の違いによる大きなばらつきがある。

世界の強度近視人口は2010年約1億6,300万人、2.7%から、2050年には約10億人、9.8%へ増えると予測される。このため、MMD世界有病率も現在の1~3%から2050年頃には5~10%へ上昇する可能性が示されているが、これは2035年時点の直接予測値ではない。

年齢では50歳代から増加し、70歳以上で高く、女性およびアジア人でリスクが高い。東アジアでは若年成人の80~90%が近視とされるが、これは強度近視率ではない。東アジア一般人口の1~4%に病的近視性変化がみられるとされる。

日本ではMMDが失明原因の上位にあり、国別記述では法的失明の最大30%を占める最大原因とされる。一方、東アジア全体ではロービジョン症例の10~15%を占めるとされるが、両者は分母が異なるため直接比較すべきではない。

また、欧州・北米で「成人の強度近視20~30%」とする記述は、世界強度近視有病率2.7%、2050年予測9.8%との関係で内部的に不自然であり、近視全体を誤ってhigh myopiaと表記した可能性も考えられるため、慎重な解釈が必要である。

治療ではmCNVに対する硝子体内anti-VEGF治療が中心で、視力安定化が期待される。一方、萎縮性MMDには現在根治的治療が乏しく、ロービジョンリハビリテーションや光学補助具、長期監視が中心となる。強膜補強、再生医療、長時間作用型生物学的製剤などは研究段階とされる。

2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、MMD患者数を単独で見るのではなく、若年層の近視増加から強度近視へ進展し、さらに数十年後にMMDへ移行する長期的な患者パイプラインを考える必要がある。特に東アジアでは現在の若年近視人口の多さが将来の中高年MMD負担へつながる可能性が大きい。

したがって、今後のMMD管理における中心的課題は、既存の高齢強度近視患者で黄斑変化を早期発見し、とくに治療可能なmCNVを迅速にanti-VEGF治療へつなげることに加え、若年期から強度近視への進行そのものを抑制することである。2026~2035年は、高齢化と世界的な強度近視増加によって拡大するMMD患者プールをどこまで早期に層別化し、不可逆的な中心視力喪失を防げるかが、臨床・疫学・眼科診療・研究開発・市場の主要テーマになるとまとめられる。

※目次構成

  1. 序文
    1.1 はじめに
    1.2 調査の目的
    1.3 調査方法および前提条件
  2. エグゼクティブサマリー
  3. 近視性黄斑変性の市場概要 ― 8主要市場
    3.1 近視性黄斑変性の市場規模実績(2019~2025年)
    3.2 近視性黄斑変性の市場規模予測(2026~2035年)
  4. 近視性黄斑変性の疫学概要 ― 8主要市場
    4.1 近視性黄斑変性の疫学動向(2019~2025年)
    4.2 近視性黄斑変性の疫学予測(2026~2035年)
  5. 疾患概要
    5.1 徴候および症状
    5.2 原因
    5.3 リスク因子
    5.4 ガイドラインおよび病期
    5.5 病態生理
    5.6 スクリーニングおよび診断
    5.7 近視性黄斑変性の種類
  6. 患者プロファイル
    6.1 患者プロファイルの概要
    6.2 患者心理および心理・感情面への影響因子
  7. 疫学動向および予測 ― 8主要市場(2019~2035年)
    7.1 主な調査結果
    7.2 前提条件およびその根拠
    7.3 近視性黄斑変性の診断済み有病患者数
    7.4 近視性黄斑変性のタイプ別患者数
    7.5 近視性黄斑変性の性別患者数
    7.6 近視性黄斑変性の年齢別患者数
  8. 疫学動向および予測:米国(2019~2035年)
    8.1 米国における前提条件およびその根拠
    8.2 米国における近視性黄斑変性の診断済み有病患者数
    8.3 米国における近視性黄斑変性のタイプ別患者数
    8.4 米国における近視性黄斑変性の性別患者数
    8.5 米国における近視性黄斑変性の年齢別患者数
  9. 疫学動向および予測:英国(2019~2035年)
    9.1 英国における前提条件およびその根拠
    9.2 英国における近視性黄斑変性の診断済み有病患者数
    9.3 英国における近視性黄斑変性のタイプ別患者数
    9.4 英国における近視性黄斑変性の性別患者数
    9.5 英国における近視性黄斑変性の年齢別患者数
  10. 疫学動向および予測:ドイツ(2019~2035年)
    10.1 ドイツにおける前提条件およびその根拠
    10.2 ドイツにおける近視性黄斑変性の診断済み有病患者数
    10.3 ドイツにおける近視性黄斑変性のタイプ別患者数
    10.4 ドイツにおける近視性黄斑変性の性別患者数
    10.5 ドイツにおける近視性黄斑変性の年齢別患者数
  11. 疫学動向および予測:フランス(2019~2035年)
    11.1 フランスにおける前提条件およびその根拠
    11.2 フランスにおける近視性黄斑変性の診断済み有病患者数
    11.3 フランスにおける近視性黄斑変性のタイプ別患者数
    11.4 フランスにおける近視性黄斑変性の性別患者数
    11.5 フランスにおける近視性黄斑変性の年齢別患者数
  12. 疫学動向および予測:イタリア(2019~2035年)
    12.1 イタリアにおける前提条件およびその根拠
    12.2 イタリアにおける近視性黄斑変性の診断済み有病患者数
    12.3 イタリアにおける近視性黄斑変性のタイプ別患者数
    12.4 イタリアにおける近視性黄斑変性の性別患者数
    12.5 イタリアにおける近視性黄斑変性の年齢別患者数
  13. 疫学動向および予測:スペイン(2019~2035年)
    13.1 スペインにおける前提条件およびその根拠
    13.2 スペインにおける近視性黄斑変性の診断済み有病患者数
    13.3 スペインにおける近視性黄斑変性のタイプ別患者数
    13.4 スペインにおける近視性黄斑変性の性別患者数
    13.5 スペインにおける近視性黄斑変性の年齢別患者数
  14. 疫学動向および予測:日本(2019~2035年)
    14.1 日本における前提条件およびその根拠
    14.2 日本における近視性黄斑変性の診断済み有病患者数
    14.3 日本における近視性黄斑変性のタイプ別患者数
    14.4 日本における近視性黄斑変性の性別患者数
    14.5 日本における近視性黄斑変性の年齢別患者数
  15. 疫学動向および予測:インド(2019~2035年)
    15.1 インドにおける前提条件およびその根拠
    15.2 インドにおける近視性黄斑変性の診断済み有病患者数
    15.3 インドにおける近視性黄斑変性のタイプ別患者数
    15.4 インドにおける近視性黄斑変性の性別患者数
    15.5 インドにおける近視性黄斑変性の年齢別患者数
  16. ペイシェントジャーニー(患者の診療・治療プロセス)
  17. 治療上の課題およびアンメットニーズ
  18. キー・オピニオン・リーダー(KOL)の見解

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