東野圭吾史上、最も泣ける感動作東野圭吾シアターVol.2 舞台『ナミヤ雑貨店の奇蹟』いよいよ開幕!
東野圭吾シアターVol.2 舞台『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が、2026年5月16日(土)、東京・サンシャイン劇場にて開幕。世界累計1,300万部を超えるベストセラー小説を原作に、脚本・演出は2013年・2016年・2022年に続き4度目の舞台化となる成井豊が手がける。
本作に集ったキャストは、世代もバックグラウンドも実に多彩だ。3人の青年を演じる葉山侑樹、土屋神葉、SANTAはそれぞれ俳優・声優・アーティストと異なるフィールドで実績を積んできた顔ぶれ。濱岸ひよりは日向坂46を卒業してこの舞台へと踏み出し、大ベテランの神保悟志、演劇集団キャラメルボックスの看板俳優・多田直人が座組に厚みを加える。異なる経歴ながら、演劇に対する熱い思いを持つキャスト達が、成井豊の演出のもとでひとつの物語へと結集した。
盗みをはたらいた3人の青年が逃げ込んだのは、過去に手紙を通じてお悩み相談ができる雑貨店として有名になったナミヤ雑貨店だった。廃墟となったはずのシャッターの郵便口から、一通の手紙が届く。それは過去の時代を生きる人間からの悩み相談だった。30年以上の時を超えて手紙が行き来し、過去と現在が交差するなかで、人々の悩みと絆、そして小さな奇蹟が積み重なっていく。
幕が上がると、そこは1932年。のちに雑貨店の店主となる浪矢雄治(神保悟志)が、恋人・皆月暁子(濱岸ひより)との駆け落ちに失敗。大きな喪失感を抱えるという場面から静かに幕を開ける。
一転、オープニングでは爽やかなナンバーに乗せて、桐生敦也(葉山侑樹)、太田翔太(土屋神葉)、伊勢崎幸平(SANTA)の3人が繰り広げるダンスシーンへ。物語への扉を軽やかに開く。17歳でダンスの世界チャンピオンに輝いた経歴を持つSANTAを筆頭に、現代を生きる若者たちの軽やかさと熱量が一気に場を満たした。
2016年のシーンで中心となる幼馴染3人の関係は、友情というより家族や同志に近い、絶妙な距離感だ。リーダー格の敦也を演じる葉山は、劇中で語られるバックボーンへとつながる堅実な芝居が光る。現実を見据えざるを得なかった敦也の重さを、押しつけがましくなく体現した。翔太役の土屋は言うべきことは言える芯の強さと、根っこに漂う優しさを自然に共存させる。手紙をさまざまな声色で読み上げるシーンでは声優としてのスキルが存分に発揮された。日本で初舞台となるSANTAは、中国を含む大舞台で培った度胸とダンサーとしての表現力を、舞台上での自然な芝居へと昇華。幸平のもつ思いやり深さと天然さで場を和ませる愛されキャラとして、敦也と翔太の潤滑油となっていた。
ナミヤ雑貨店の店主・浪矢雄治を演じる神保悟志は、じっくりと腰を据えた深みのある芝居で、無償で悩み相談を受け続けた一人の人間の、重みある人生を浮かびあがらせる。ありし日の青年時代から、自らの人生の終わりを見据えた晩年まで、手紙へ向ける眼差しのひとつひとつから、舞台では描かれない彼の人生の足跡がうかがえるようだった。
2013年版・2016年版で敦也を演じた多田直人は、今作では店主の息子・浪矢貴之ほかを演じる。成井の作品づくりを熟知した多田の芝居は緩急が見事で、ときにコミカルな言動でくすりとさせ、舞台に柔らかな空気を生み出した。
濱岸ひよりは今作が日向坂46卒業後初舞台。水原セリ/皆月暁子の一人二役に挑んだ。役として歌うという、アイドル時代とは異なる歌唱スタイルにも真摯に向き合い、セリの生きる意味を切なく歌声に乗せた。
物語は2016年と昭和の時代を何度も行き来しながら進む。刹那的に流されるように生きる現代の若者たちと、昭和的な家族観のコントラストが、時代を超えた手紙のやりとりに奥行きを与えていた。舞台転換は雑貨店のシャッターと店内が表裏一体となった盆が回転し、時代の往来がスムーズに、そして視覚的に印象づけられる。
この作品の舞台としての見せ方を誰よりも知る成井が、時代や人をつなぐ小さな奇蹟を積み重ねていった。そこに宿るのは、「誰もが誰かの幸せを願っている」という、シンプルでありながら力強いメッセージだ。ナミヤ雑貨店が引き寄せた奇蹟の連鎖を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
【以下、囲み会見】
開幕前日となる5月15日(金)、開幕に先立ち行われた囲み取材には、桐生敦也役の葉山侑樹、太田翔太役の土屋神葉、伊勢崎幸平役のSANTA、浪矢雄治役の神保悟志、水原セリ役の濱岸ひより、浪矢貴之役の多田直人の6名が登壇。葉山が「1ヶ月弱稽古してきたので、あとは全力で楽しんでいくだけ」と晴れやかな表情で語り会見がスタートした。
同じ養護施設で育った設定を持つ3人の関係づくりについて問われると、土屋は「プライベートで時間を過ごすうちにどんどん仲が深まって、それが役につながっていると感じる」と振り返る。SANTAも「3人一緒に公園で自主練することも多く、お互いの真面目さがいい形で作用したと思う」と語り、その言葉に葉山も土屋も大きくうなずいた。
ダンスシーンについては、25年のダンス歴を持ち中国で活躍しダンス番組も手がけるSANTAが「2人ともダンスに対して貪欲で、もっと学びたいという気持ちが強かった。いろんな人とダンスを踊ってきた中でも、こんなに真剣な姿勢はなかなかない」と2人を称える。土屋は「ダンスができる2人に囲まれて、声優ですが、かつて習った日本舞踊とクラシックバレエという武器を引っ提げて頑張りました。さんちゃんのおかげでなんとかゲネプロを迎えられそうです」と笑わせる場面も。
過去に敦也役を演じていた多田は、今回その役を引き継いだ葉山について「葉山くんの敦也と僕の敦也は違う。自分が思うように全力でやるのが一番いい、と稽古初日に伝えた」と明かす。「4回目の上演でも、誰が演じるかによってキャラクターの個性が変わる。今回のこの3人の中の敦也でいてほしい」という言葉が、葉山の芝居の軸になったという。
神保と多田の親子役コンビについては、多田が「神保さんとシーンを作ることが多く、他のキャストに『いいだろう』と思いながらやっていた」と語れば、神保も「キャラメルボックスの師範代のような方と組めて光栄。むしろ私が教えてもらおうという気持ちだった」と返し、笑いを誘う。多田は稽古を振り返り、「ついつい神保さんへの愛が深まりすぎて、演出の成井に『もっと厳しく』とダメ出しされました」と茶目っ気たっぷりに明かした。
濱岸は舞台での歌唱について「役のままお芝居として歌うのはアイドル時代とは全く違う感覚で難しかったが、毎日試行錯誤して、最近ようやくいい感じになってきた」と語り、神保からのアドバイスに支えられたことへの感謝も口にした。神保は「40歳も年齢差があるので恋仲と言われてもなかなか難しいのですが」と笑わせつつ、「ひよたん」という愛称で呼び合う2人の和やかな関係性が伝わってきた。
最後に神保は「この会見でも感じていただいたと思いますが、大変いいカンパニーです。この3人がめちゃくちゃ仲いいのを見ているだけでも楽しいと思いますし、芝居としての完成度も非常に高い。ぜひご覧ください」と力を込める。葉山も「やるべきことはすべてやってきた。全力で臨むだけです」と、初日への自信をのぞかせた。
<あらすじ>
敦也・翔太・幸平は、同じ養護施設で育った仲間。
ある夜、ある家にコソ泥に入り、逃亡の途中で、廃屋になった雑貨店に逃げ込む。すると、表の方で微かな物音。シャッターの郵便口から、誰かが封筒を入れたのだ。中の便箋には、悩み事の相談が書かれていた。この雑貨店は、店主が生きていた頃、近隣の住人の悩み事の相談に答えていたのだ。3人はほんの遊び心から、返事を書いて、牛乳箱に入れる。すると、またシャッターの郵便口から封筒が。そこには、3人の返事に対する、さらなる質問が書かれていた。しかも、差出人は、数十年前の時代の人間らしい……。
文:双海しお/撮影:岸隆子
<公演概要>
タイトル:東野圭吾シアターVol.2 ナミヤ雑貨店の奇蹟
原作:東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川文庫/KADOKAWA)
脚本・演出:成井豊
出演:葉山侑樹 土屋神葉 SANTA/濱岸ひより 関根翔太 三浦剛 渡邊安理 林貴子 澤田美紀
櫻井佑音 辻合直澄 多田直人/神保悟志
日程・劇場:
【東京公演】2026年5月16日(土)〜24日(日) サンシャイン劇場
【大阪公演】2026年6月6日(土)・7日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
チケット:全席指定・税込
東京・大阪公演 9,500円
公式サイト:https://napposunited.com/namiya2026
企画協力:株式会社KADOKAWA
主催・製作:TBS/ナッポスユナイテッド