ベーカリー製品の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「ベーカリー製品の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Bakery Products Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、ベーカリー製品の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本のベーカリー製品市場は、2025年時点で330億8,000万米ドル規模と評価されており、2026~2035年の予測期間には年平均成長率(CAGR)4.20%で拡大し、2035年には499億2,000万米ドルに達すると見込まれている。市場成長の中心にあるのは、忙しい都市生活者を中心とした「手軽さ」と「焼きたて感」への需要であり、すぐに食べられるパンや小型の焼き菓子、食事代替型ベーカリー製品などの開発が進んでいる。また、コンビニエンスストアやスーパーマーケットが店内焼成設備を導入し、ベーカリーとカフェを組み合わせたハイブリッド型の売場づくりを進めていることも、市場拡大を後押ししている。
市場を押し上げているもう一つの大きな要因は、プレミアム化と職人志向である。日本の消費者は、単に安価で日常的なパンを購入するだけでなく、素材の質、独自の風味、職人技、ブランドストーリーなどに価値を見いだす傾向を強めている。そのため、メーカーやベーカリーは、高品質な原材料を使ったパンやペストリー、限定フレーバー、ギフト向け商品などを積極的に展開している。同時に、食品ロス削減、原材料のアップサイクル、環境配慮型包装などのサステナビリティ対応も重要になっており、環境意識の高い消費者への訴求力を高めている。
利便性を重視する消費行動の変化は、小売業態の進化にもつながっている。特にコンビニエンスストアでは、従来の包装済みパンだけでなく、店内で焼き上げた商品を提供する動きが広がっている。2024年5月にはセブン-イレブン・ジャパンが、自社ベーカリー「セブンカフェ ベーカリー」の拡大に向け、2025年2月までに約3,000店舗へ焼きたてパン用設備を導入する方針を示したとされる。こうした設備投資により、購入直前に焼き上げた商品の提供が可能となり、品質と利便性を両立しながら購買頻度を高める効果が期待されている。
さらに2025年3月には、セブン-イレブン・ジャパンが約1,000億円を投じ、約2万店舗に店内オーブンを設置する動きが紹介されている。これは、従来の中央工場から完成品を配送する方式だけに依存せず、店舗で最終焼成を行うことで、鮮度の高い商品を提供しようとする取り組みである。日本のベーカリー業界では人手不足とコスト上昇が大きな課題となっているため、こうした自動化・省力化技術は、店舗運営の効率化と商品の付加価値向上を同時に実現する手段として重要性を増している。
製品別では、パン・ロールパン、ケーキ・ペストリー、クッキー、トルティーヤ、プレッツェル、その他の製品に分類される。この中でパン・ロールパンは、日常的な消費頻度が高く、利便性と店内焼成需要に支えられ、市場の主要部分を占めている。ケーキ・ペストリーは、プレミアム化や贈答需要の拡大によって成長が支えられている。一方、トルティーヤは2026~2035年にCAGR 5.1%と、市場平均を上回る成長が見込まれており、健康志向、ヴィーガン対応、輸出向け商品開発などを背景にニッチカテゴリーの存在感が高まっている。
パン・ロールパンは、日常の朝食や軽食として定着していることから、今後も安定した需要が見込まれている。メーカー各社は、国産原料の使用や職人的な製法、地域限定フレーバーなどを通じて商品価値を高めている。例えば敷島製パンは2025年3月、2030年までに国産小麦の使用比率を15%から20%へ引き上げる方針を示したとされる。これは、商品の品質イメージ向上だけでなく、原料供給の安定化という観点でも重要な取り組みと位置付けられている。
クッキー市場では、単なる日常菓子ではなく、贈答、限定品、体験型消費といった要素が成長を支えている。高級感のある素材、独自の食感、季節限定フレーバー、他ブランドとのコラボレーションなどによって付加価値を高める動きが目立つ。2025年4月には、アメリカンスタイルのクッキー店「Pug」が東京でポップアップ店舗を展開し、日本風味を取り入れた商品を販売した事例が紹介されている。こうした商品は、ギフト需要や衝動買いを取り込みやすく、クッキーカテゴリー全体の単価上昇にも寄与すると考えられる。
健康志向も市場の重要な成長テーマである。消費者が日常的な食品選びの中で健康やウェルネスを重視するようになるにつれ、ベーカリー企業は機能性原料や地域食材を使った商品を増やしている。2025年6月にはLe Grenier à Painが枝豆を使用した「Seasonal Edamame Breads」「Cravate au Edamame」「Fougasse Edamame」などを発売した事例が挙げられている。このように、健康志向と地域性を組み合わせた商品は、従来のパンカテゴリーに新たな価値を加え、市場の裾野を広げる役割を果たしている。
サステナビリティへの対応では、循環型経済やアップサイクルの考え方がベーカリー業界にも浸透している。2025年3月にはSakaeya Bakeryの「Better Life with Upcycle」が、パンの耳や有機栽培の伊予柑の皮など、従来廃棄される可能性のあった素材を再利用して新たな製品を作る取り組みを展開したとされる。また、2025年2月にはパンの耳をクラフトビールへアップサイクルする事例も紹介されている。こうした動きは、食品ロス削減という社会的要請に対応するだけでなく、商品ストーリーを通じてブランド価値を高めるマーケティング手段にもなっている。
日本のベーカリー市場では、観光やギフト需要も重要な成長要素となっている。訪日客による消費だけでなく、日本独自のベーカリー技術や商品を海外展開する動きも見られる。2024年6月にはPanforYouが冷凍パンブランド「PANSUKU Box Kyoto」をシンガポール市場へ導入したとされ、日本発のプレミアムベーカリー商品を海外で販売する事例が増えつつある。2026年2月にはハワイ・カポレイで日本風のパンやペストリーを提供するBattle Bakeryが新店舗を開設し、日本で訓練を受けた職人による品質の高い商品を展開した。こうした海外進出は、日本式ベーカリーのブランド価値を高め、輸出市場の可能性を広げている。
流通チャネル別では、ハイパーマーケット/スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ベーカリー専門店、オンライン、その他に分類される。スーパーマーケットは、家庭で日常的に消費するパンや焼き菓子を幅広く扱うだけでなく、店内焼成コーナーの拡充によって焼きたて需要を取り込んでいる。コンビニエンスストアも、従来のスナック・菓子パン中心の品揃えから、より本格的なパンやペストリーへと商品構成を広げている。2024年11月にはファミリーマートが、パン、アイスクリーム、デザートなどを強化する新たな販売戦略を発表したとされ、小売大手によるベーカリーカテゴリーへの投資が継続している。
スーパーマーケットでは、独自のベーカリー業態を店内や隣接エリアに設けることで、来店頻度と客単価を高める取り組みが進んでいる。2025年4月には三井不動産が埼玉県で、焼きたてのマドレーヌやアップルパイに加えて季節の果物や地元野菜を扱う新しいベーカリー型店舗を開設した事例が紹介されている。こうした複合型店舗は、日常使いのパンとプレミアム商品を同時に提供できるため、スーパーマーケットの差別化策として有効である。
ベーカリー専門店は、職人技、高品質素材、店舗体験、ブランド性を重視するプレミアム市場を担っている。消費者は、商品そのものだけでなく、店舗デザイン、限定商品、ストーリー性、ギフト用途なども含めた体験に価値を見いだしている。2024年10月には、シャトレーゼプレミアムのYATSUDOKIがドバイのCity Centre Mirdifに高級日本式ベーカリー店舗を開設した事例が示されており、国内で確立した高付加価値ブランドを海外市場へ展開する動きも進んでいる。
一方、オンライン販売は全流通チャネルの中でも特に高い成長が期待されており、2026~2035年にCAGR 7.8%で拡大すると予測されている。冷凍パン、定期配送、D2Cブランド、地域の人気ベーカリー商品を全国へ届けるサービスなど、オンラインならではの販売モデルが増えている。冷凍技術や配送インフラの改善によって、これまで店舗商圏に限定されていたベーカリーでも全国の顧客へ販売できるようになりつつあり、オンラインチャネルは今後の市場拡大における重要な成長領域となる。
競争環境では、商品革新と多角化が主要戦略となっている。企業は、プレミアムパン、機能性ペストリー、健康志向商品、店内焼成商品、季節限定商品などを拡充し、消費者ニーズの細分化に対応している。山崎製パンや敷島製パンなどの大手企業は、原材料品質、鮮度、風味などの研究開発に投資し、競争の激しい市場で差別化を図っている。また、小売、オンライン、輸出を組み合わせたマルチチャネル戦略を採用し、国内外の企業との連携、職人系ベーカリーやRTE商品の展開、生産や品質検査の自動化などにも投資している。
主要企業としては、山崎製パン、COMO、不二家、オリエンタル酵母工業などが挙げられている。山崎製パンは1948年設立で、パン、ケーキ、スナック、菓子類まで幅広く展開し、スーパー、コンビニ、ベーカリー店舗など全国的な流通網を強みとしている。COMOは1967年設立で、パン、ロール、菓子パンなどを手掛け、品質や鮮度を重視しながら小売・業務用顧客へ供給している。不二家は1910年設立の老舗企業で、菓子、ケーキ、ベーカリー製品を幅広く展開し、伝統的なレシピと現代的な商品開発を組み合わせている。オリエンタル酵母工業は、業務用ベーカリーや食品メーカー向けに酵母やベーカリー原料を提供し、原材料面から市場を支える企業として位置付けられている。その他、敷島製パン、Nippon Premium Bakery、Fuji Baking Groupなども主要企業として挙げられている。
総じて、日本のベーカリー製品市場は、日常的なパン需要に支えられた成熟市場でありながら、店内焼成、プレミアム化、健康志向、アップサイクル、オンライン販売、観光・ギフト需要など複数の成長テーマによって再活性化している。今後は、単にパンや焼き菓子を大量販売するだけではなく、「焼きたて」「高品質」「健康」「地域性」「サステナブル」「限定性」「体験価値」といった要素を組み合わせた商品・店舗戦略が重要になると考えられる。特に、オンライン販売の高成長と、小売店舗への焼成設備導入によるフレッシュベーカリー化は、流通構造そのものを変える可能性がある。2026~2035年にかけては、こうした商品・流通・技術面での革新が市場全体の4.20%成長を支え、日本のベーカリー市場は量的拡大だけでなく、高付加価値化を伴う形で成長していくと見込まれている。
※目次構成
1. エグゼクティブサマリー
1.1 市場規模(2025~2026年)
1.2 市場成長予測(2026年予測~2035年予測)
1.3 主な需要促進要因
1.4 主要企業と競争構造
1.5 業界のベストプラクティス
1.6 最新動向と最近の展開
1.7 業界見通し
2. 市場概要およびステークホルダー分析
2.1 市場動向
2.2 主要産業分野
2.3 主要地域
2.4 サプライヤーの交渉力
2.5 買い手の交渉力
2.6 主な市場機会とリスク
2.7 ステークホルダーによる主要施策
3. 経済概要
3.1 GDP見通し
3.2 一人当たりGDPの成長
3.3 インフレ動向
3.4 民主主義指数
3.5 政府総債務比率
3.6 国際収支(BoP)の状況
3.7 人口見通し
3.8 都市化動向
4. カントリーリスク分析
4.1 カントリーリスク
4.2 ビジネス環境
5. アジア太平洋ベーカリー製品市場の概要
5.1 主要業界ハイライト
5.2 アジア太平洋ベーカリー製品市場の過去実績(2019~2025年)
5.3 アジア太平洋ベーカリー製品市場の予測(2026~2035年)
6. 日本ベーカリー製品市場の概要
6.1 主要業界ハイライト
6.2 日本ベーカリー製品市場の過去実績(2019~2025年)
6.3 日本ベーカリー製品市場の予測(2026~2035年)
6.4 製品別・日本ベーカリー製品市場
6.4.1 パン・ロールパン
6.4.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.2 ケーキ・ペストリー
6.4.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.3 クッキー
6.4.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.4 トルティーヤ
6.4.4.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.4.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.5 プレッツェル
6.4.5.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.5.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.6 その他
6.5 流通チャネル別・日本ベーカリー製品市場
6.5.1 ハイパーマーケット/スーパーマーケット
6.5.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.2 コンビニエンスストア
6.5.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.3 ベーカリー専門店
6.5.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.4 オンライン
6.5.4.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.4.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.5 その他
7. 市場ダイナミクス
7.1 SWOT分析
7.1.1 強み
7.1.2 弱み
7.1.3 機会
7.1.4 脅威
7.2 ポーターの5フォース分析
7.2.1 サプライヤーの交渉力
7.2.2 買い手の交渉力
7.2.3 新規参入の脅威
7.2.4 競争の激しさ
7.2.5 代替品の脅威
7.3 主要需要指標
7.4 主要価格指標
8. 競争環境
8.1 サプライヤー選定
8.2 主要グローバル企業
8.3 主要地域企業
8.4 主要企業の戦略
8.5 企業プロファイル
8.5.1 Yamazaki Baking Co., Ltd.(山崎製パン株式会社)
8.5.1.1 企業概要
8.5.1.2 製品ポートフォリオ
8.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.1.4 認証
8.5.2 COMO Co., Ltd.(株式会社コモ)
8.5.2.1 企業概要
8.5.2.2 製品ポートフォリオ
8.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.2.4 認証
8.5.3 FUJIYA CO., LTD.(株式会社不二家)
8.5.3.1 企業概要
8.5.3.2 製品ポートフォリオ
8.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.3.4 認証
8.5.4 Oriental Yeast Co.(オリエンタル酵母工業)
8.5.4.1 企業概要
8.5.4.2 製品ポートフォリオ
8.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.4.4 認証
8.5.5 Shikishima Baking Co., Ltd.(敷島製パン株式会社)
8.5.5.1 企業概要
8.5.5.2 製品ポートフォリオ
8.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.5.4 認証
8.5.6 Nippon Premium Bakery Inc.
8.5.6.1 企業概要
8.5.6.2 製品ポートフォリオ
8.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.6.4 認証
8.5.7 Fuji Baking Group(フジパン・グループ)
8.5.7.1 企業概要
8.5.7.2 製品ポートフォリオ
8.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.7.4 認証
8.5.8 その他
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