NPO法人 ALL OK(所在地:福岡県北九州市)は、北九州市小倉南区主催の官民連携防災啓発活動ユニット「防災アクション+α」の一員として、地元企業である九州鉄道機器製造株式会社、南榮工業株式会社と連携し、常時・災害時利用可能な「ペットシェルター」の開発・実証実験プロジェクトを10/1より始動します。
このプロジェクトは、単に災害対策を行うだけでなく、日常と非日常の境目を取り払う「備えない防災(フェーズフリー)」の考えに基づき、行政・企業・NPOが連携する新しい「共助の仕組み」を北九州市から創造し、全国へ発信していくことを目指します。
1. プロジェクト始動の背景:防災意識の低さと避難所の現状
北九州市は比較的災害が少ない「住みよい街」とされていますが、その安心感が防災意識の低さという課題を生み出しています 。NPO法人 ALL OKは5年間にわたり「ペット防災」の啓発活動を行ってきましたが、啓発内容への関心が薄いという現実に直面してきました 。
さらに、環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」が「飼い主とペットが一緒に避難することを原則」とする 一方で、北九州市内のペット同行避難が可能な457箇所のうち、約7割にあたる319箇所が「屋外」にペットの避難場所が指定されているのが現状です 。災害時にペットを屋外に置いておくことへの懸念は大きく、この現状を変える必要性を痛感しています 。
2. プロジェクトの概要:官民連携による「ペットシェルター」の開発と共助の仕組み
本プロジェクトは、北九州市小倉南区と「防災啓発調印式」を行った官民連携ユニット「防災アクション+α」を基盤としています 。
(1)「ペットシェルター」の開発・実証実験
開発の経緯:ユニットメンバーである九州鉄道機器製造株式会社が開発した「多目的テント」をベースに、南榮工業株式会社の協力を得て、常時でも使用できる「ペットシェルター」の開発研究をスタートします 。
素材と特徴:骨組みには、地元北九州市の老舗メーカー、九州鉄道機器製造株式会社の鉄道の支保工技術を使い、究極の強度と耐久性を実現します 。シートには、南榮工業株式会社の高遮熱シート「テクノミラー」を使用。太陽熱を約80%反射し、夏は涼しく、冬は暖かく保つ効果を検証します 。
実証実験:2026年1月から2027年3月までに、春夏秋冬の年4回、避難所開設を想定した実証実験と「ペット同行避難訓練」を専門家立ち会いのもと実施します 。
平常時の活用:設置されたシェルターは、災害時だけでなく、平常時には駐輪場や休憩所、地域交流拠点としても活用し、定期的な同行避難訓練を開催します 。
(2)3つの目的
本プロジェクトは、以下の3つを目的としています 。
1・多くの方に「ペット防災」の正しい知識を身につけてもらうこと 。
2・「ペットシェルター」の実証実験を協働で行い商品開発をすること 。
3・「防災アクション+α」の仕組みを体系化し全国に広めること 。
3. 資金使途
本プロジェクトはクラウドファンディングにより資金を調達しており、ご支援いただいた資金は、シェルター購入費や実証実験の実施、マニュアルの構築などに充てられます 。
費用項目 目安金額
①シェルター購入費
約80万円
②実証実験の実施費(年4回、専門家謝金、人件費など)
約50万円
③マニュアルの構築費(標準化・商品化、仕組みづくり)
約40万円
④啓発イベント開催費用(同行避難訓練など)
約10万円
⑤広報・啓発活動(チラシ、SNS広告など)
約20万円
⑥その他諸経費
約50万円
合計
250万円
4. スケジュール
時期 予定内容
2025年12月 シェルター購入
2026年1月
①実証実験開始予定
2026年2月
同行避難訓練・記念講演会
2026年6月
②実証実験実施予定、同行避難訓練
2026年9月
③実証実験実施予定、同行避難訓練
2026年11月
④実証実験実施予定、同行避難訓練
2027年3月まで
実証実験結果・民間防災啓発ユニットマニュアル完成予定
※実証実験、同行避難訓練は開催月は決定済みですが日時は未定です。荒天で避難指示が出た場合は延期となります 。
5. NPO法人 ALL OKが目指す街づくり
「防災アクション+α」は、行政の信頼性、企業の技術やネットワーク、NPOの市民に寄り添う力を掛け合わせる新しい共助のモデルです 。私たちはこのプロジェクトを通じ、ペットも人も安心して暮らせる社会、地域の中で自然な支え合いが育まれる街、そして日常にも役立つ防災インフラの実現を目指します 。
団体概要
名称
NPO法人 ALL OK
活動内容
福岡県北九州市を拠点に「ペット防災」「ワンヘルス」の啓発を中心に活動
設立
2020年より活動
代表者 佐藤直美
お問い合わせ先
allok.npo@gmail.com
093-647-0151