【TOKAI RADIO】岐阜・東白川村の戦争体験者を取材したドキュメンタリーを再放送、生の声で語られるリアルな戦争体験
TOKAI RADIOが2015年に制作・放送した、岐阜県加茂郡東白川村の戦争体験を伝えるドキュメンタリー「いくさ遺産 村の言霊~岐阜県東白川村・語り継がれる戦争の記憶~」の再放送が決まった。戦争を経験した村人の生の声を通じ平和の尊さを伝え、大きな反響を呼んだ番組を、8月31日(日)14時00分から再放送する。
戦地で命を落とした青年の日記には「お母さん、お母さん、、」
1990年代前半、岐阜県加茂郡東白川村に2つの“いくさ遺産”が作られた。戦争資料館・平和祈念館と、戦記「平和への礎」である。平和祈念館には召集令状、千人針、戦地で書かれた日記、228人の遺影など900点あまり。3分の2は村人たちの寄付によってまかなわれ、展示品は家々に眠っていたものが集められた。中国南部江蘇省で腹部に銃弾を受け戦死した、今井龍一さん(享年22)が遺した日記には「お母さん、お母さん、、」と母への思いが手のひらに収まるほど小さなノートに綴られている。
一発の銃弾が掌を貫通、シベリアに3年間抑留、家族と引き離され炭鉱へ――生の声で語られる、リアルな戦争体験
戦記「平和への礎」には350ページにわたって戦没者や帰還兵の顔写真、経歴、体験談が綴られている。戦争で若い命を散らした仲間への痛恨の思い、戦争のあとの平和な日本に抱く複雑な思い、戦争を知らない次の世代へ伝えたい思い。
「平和への礎」を手掛かりに取材をした2015年当時、戦争体験者にマイクを向けることが出来た。一発の銃弾が掌を貫通した話し、シベリアに3年間抑留された経験、満州からの帰国時に家族と引き離され炭鉱へ送られた話しなどが生々しく語られた。今では肉声で聴くことのできない貴重な声だ。
「こんなに平和な村でもすごい苦しみや悲しみがあった」――戦争の記憶を伝える朗読会
戦争を直接知る世代が少なくなる中、その記憶を後世に伝える取り組みを続けているのが、読み聞かせボランティア「夢風船」だ。戦後60年の節目に、平和祈念館の資料に残る戦争の記憶を伝えようと企画されたのがはじまりで、戦後70年の当時は村の戦争経験者の聞き取り会を開くなどして、朗読会のシナリオを完成させた。
代表の古田真由美さんは「こんな平和な村でもすごいいろんな苦しみ悲しみがあって、亡くなった方もあったんだということが少しでも若い世代に伝われば」と話す。
戦争の記憶を語り継ぐ、今の東白川村を取材した番組を9月2日に放送
2025年、東白川村の今を取材した模様を、9月2日(火)17時00分~17時15分「ニュースパレード」で放送する。20年にわたって続けられてきた、戦争体験の語り継ぎ活動を取材した模様を届ける。
再放送するドキュメンタリー「いくさ遺産 村の言霊~岐阜県東白川村・語り継がれる戦争の記憶~」は、村人の言葉を通して戦争の悲劇を伝える貴重な記録であり、平和の尊さを改めて考えさせられる内容となっている。体験者の多くがこの世を去り、記憶の伝承が課題となる今こそ聴いてほしい番組だ。

<b>【番組概要】</b>
■放送局:<a href="https://www.tokairadio.co.jp/">TOKAI RADIO </a> ( FM92.9MHz / AM1332kHz / <a href="https://radiko.jp/mobile/timetable/JP23?station_id=TOKAIRADIO">radiko</a> )
■番組タイトル:いくさ遺産 村の言霊~岐阜県東白川村・語り継がれる戦争の記憶~
■再放送日時:2025年8月31日(日)14時00分~15時00分
■ナレーション:ドリアン助川
■取材:<a href="https://www.tokairadio.co.jp/announcer/genishi/">源石和輝</a>
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